東京は夜の7時

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 ”リオは朝の7時”バージョンを事実のパソコンで聴いている。距離を置いてみて、初めて東京が美しく輝きだした。
 
 東京という都市が導き出すイメージはここでは余りにも強烈で、殆どブレードランナーの世界を思わせるほどだ。騒音に満ち、生き物のように全体が波打つ人混みが夜の街を覆いつくす。石畳で舗装されたハイデルベルクの街でなら聞き分けられる人間の足音も、東京では全てが融け合ってして巨大な地鳴りになる。東京という怪物は遠くから見なければならない。
 出来ることならば、こうしてずっとあの街と距離を取って生きていきたい。そうできなければ、”東京”という場が私に想起させるあの倦怠感がまた戻って来るだろうから。怪物は我々からエネルギーを奪い、そして何も与えず、代わりに自分の一部とする。怪物の体内にいながら、その精神の形を完全に保ち続けるというのは並大抵のことではない。それはほとんど不可能で、しかも上手くいったとしても全然幸福を生まない!
 今、私は怪物の外に出たのだ!あともうしばらくの間は、その触手が届く範囲を離れていられる!
 とはいえ、こうして距離を取ってみれば、東京はべらぼうで、いかにも美しいではないか!
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